© 2018 Kazumasa Harada

シマノハナ


ここにあるのは、亜熱帯と呼ばれる島の情景ではあるが、置き換えれば、本来は境界線が曖昧な生と死の姿であり、他愛もない私たちの日常である。
黒々とした岩と、乾いた色の鬱蒼とした植物が、島の荒涼とした風景を成している。 空よりも青く深い海や、山肌を音もなく撫でる雲は、恐ろしくも美しい。
投棄されたもの、生き絶えたもの、それを飲み込み生い茂る自然。
時々感じるのは、爽やかな風と、生きた心地。
島で一番、華やかな花は、亡くなった人が眠る場所に、咲いていた。 いつか終わる、だけど変わらない日々の中を、人は淡々と、強く、生きていた。 これはその記録である。

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